大道寺将司の死を悼む
NEZUMI
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2017年5月24日、大道寺将司は獄中で逝去した。大道寺はこの列島における最も偉大なコミュニストである。東アジア反日武装戦線としての闘いにはじまり、獄中闘争、死刑廃止運動、俳句作成にいたるその全過程はわれわれが学ぶべき巨大な遺産である。ただし遺産とここで呼んだとしても、それが過去のものであることは意味しない。コミュニズムとは仮借なきほどに終わりなきものだからだ。その死の一月前に刊行した「HAPAX」7号に寄稿された友常勉の「武器を取れ 大道寺将司の俳句」は大道寺が俳句において終わりなき(もしくは終えることのできない)コミュニズムを実践していたことをあきらかにしている。
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「世界の死」の実践はこの国においては植民地主義との対決なしにありえない。その闘争の極限が東アジア反日武装戦線であり、それゆえ彼/彼女たちの闘争は現在にいたるあらゆる左翼をこえてアクチュアルな問いでありつづけている。そしていまの左翼(新左翼)の惨状はその対決を放棄したことと無縁ではない。この主題は場をあらためて検討されるだろう。