12号について

NEZUMI

先にもふれたが、HAPAX12号が刊行された。第一特集はこのブログでも公開してきたがCRIMETHINCの訳も「香港2019」も掲載にあたり更新されている。香港が提示したのは新しい都市蜂起のスタイルであり、この蜂起がコロナ・ウィルスを先駆けて発生したことは決して偶然ではない。/第二特集は酒井隆史のインタビューによってはじまる。ここでは酒井の運動と思想のかかわりをも辿りながら、現在の権威主義リベラリズムと闘うための戦争機械が提起されている。また友常勉は内閣府のsociety5.0なるヴィジョンが新たなファシズムであることをあきらかにした重要なテクストである。特集とは別に今回、近年、最も革命的な書のひとつであった「他力の哲学」の著者・守中高明からの寄稿をえることができた。ここで出された「アナーキー原理」としての他力という主題ははかりしれないほど破壊的である。それ以外のメンバーたちによるテクストもまた戦争機械のための武器となることを願う。/コロナ・ウィルスはわれわれが不可視委員会にならって提起してきた「文明の死」の全面的な現実化である。いま目にしているのは社会が社会を崩壊させていく光景である。あらゆる意味で破局的な事態にどう向かうべきか、このブログでも考えていくことになるだろう。

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