BLMとコロナの啓示


NEZUMI

「その「啓示」とはすなわち、生は絶対に正当化不可能なものであり、そのことは、生が正当化される必要がないだけにいっそう確実だ……というものである」(「ルイス・ウルフソン、あるいは手法」)。人はこの「啓示」においてのみマイノリティに生成変化することができる。マジョリティとは正当化された生、もしくは生の正当化という欺瞞の総体のことなのだ。疫病の政治的効果とはマジョリティにまで生の正当化が不可能なことを「教育」することであった。それが「ウイルスの独白」の核心であり、同時にアルトーがそのペスト論で演劇との分身性としてあきらかにしたことに他ならない。BLACK LIVES MATTERはこの「教育」の効果である。これはマジョリティによる過剰防衛としてまず出現し、次にいままでBLMに無縁だった白人層の合流として「効果」をあらわした。この合流の結果として奴隷制にかかわるモニュメントが破壊、投棄されていることの画期性は強調してもしすぎることはないだろう。モニュメントとともに破壊されているのは「文明」そのものでもある。「文明」とはマジョリティを再生産しつづける装置なのだから。新たな「革命」はここから開始される。正当化されない生、絶滅にいたる世界(人民を餓死させているるバッタたちを見よ)において「革命」とは何かと問いながら。

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